活性酸素と水素

● 人間が生きていくためのエネルギー源は、細胞内にあるミトコンドリアで、酸素を利用して栄養素を分解して作り出されていますが、その時に副産物として活性酸素が発生してしまいます。ミトコンドリアの働きによって生まれる活性酸素は生きていく限り付き合っていかなければなりません。また、紫外線、排気ガス、急激な運動、アルコール、ストレスなどの環境下ではさらに活性酸素の発生が増大します。



● 金属やリンゴなどを長い間空気にさらしますと酸化しダメージを受けます。これと同様に体中の細胞も酸化し、ダメージを受けています。酸化の原因は体内に取り込まれた酸素の一部が変化してできた活性酸素ですが脂質やタンパク質と結合して細胞を酸化させます。 この様に生じた酸化ストレスこそが細胞の組織を破壊して多くの病気を作る元凶と言われています。



● 活性酸素はすべてが悪いのではなくウイルスや細菌を退治したり、血管をつくったり拡張したりと体に必要な役目も担っています。加齢とともに生体内のSOD、カタラーゼやグルタチオンなどの抗酸化酵素が減少すると活性酸素が増えすぎたり、金属イオンとの反応で酸化力が増強して細胞や遺伝子を傷つけるヒドロキシルラジカルに変身します。老化の原因となるヒドロキシルラジカルを抑える事が老化防止(アンチエイジング)で、病気予防にもなると考えられています。



● 水素は、原素記号「H」、原子番号「1」、常温・常圧で無色、無味、無臭であり、分子状水素「H₂」の状態で気体として存在します。水素はあらゆる物質の中で最も小さく軽くて拡散性があるため、体の隅々まで届く有用な抗酸化物質です。ビタミンCやビタミンE等の抗酸化物質とは異なって水溶性、脂溶性に関係なく細胞内の核やミトコンドリアへも簡単に到達できます。



● 水素は様々な病気の原因であるヒドロキシルラジカルを選択的に除去して、無害な水として排出されます。最近は抗酸化作用だけではなく抗炎症作用や抗アレルギー作用も報告されており臨床応用では糖尿病、高血圧/動脈硬化、パーキンソン病、リウマチ等の改善、抗がん剤の副作用軽減効果が報告されています。